松阪牛には知られざる歴史があった

私たちが普段何気なく耳にする物や接している物には、そのほとんどに知られざる歴史が潜んでいることがたくさんあることをご存知でしょうか。
たとえばお肉・・・肉の王様とも一目置かれる美味しいお肉、高級なお肉、日本を代表するお肉といっても過言ではない松阪牛、この松阪牛にも私たちが知らない意外な歴史があったんです。そこで普段なかなか触れる機会のない知られざる松阪牛の歴史を探ってみましょう。

最近はほとんど見かけなくなりましたが、以前の日本ではそこここで牛舎のある光景が当たり前のように見られました。また当時は今より農耕に従事している人々が多く、その農業に従事する人たちは今のように農機具の機械化は発達していませんでした。
では当時の農業ではどのように農作業を行っていたのかというと、当時機械の代わりに活躍させていた役牛と呼ばれる農耕に従事する牛を利用して農作業を行っていたのです。

この役牛の中でも松坂地方で特に作業に向いていると評判だった牛が、当時の但馬地方で生まれた雌の牛だったのです。それともう一つ忘れてはならないことがあり、それが当時はまだ牛は食すというよりは、生活の中にいなくてはならないまさに家族同然だったのです。
でもこの家族同然で暮らし、さらに農耕に従事してくれる貴重な担い手ともいえる牛も、当時外国からどんどん新しい文化などが入ってくる中で、牛を食す文化も自然と広がっていき、当時役牛として家族同然の扱いを受けていた牛たちも段々と肉牛として利用されるようになっていったのです。

この時松坂地方では役牛として3年～ほど農耕に利用した牛を、さらに肉牛として1年肥育させて食用としていたのです。家族同然に大事に育てた牛が他の肉牛よりも、特に濃厚で美味しいのは当然です。こうして松阪牛の評判は瞬く間に全国へと広がっていき、一つのブランドとして確立するまでに至ったんです。
このように現在の松阪牛は、松阪牛の歴史に恥じない新たな食文化の歴史をさらに繋げていっているのです。

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