日本を代表する黒毛和牛ブランドである松阪牛。
松阪牛のブランドを名乗るためには、一定の条件を満たさなければなりませんし、同じ松阪牛であっても格付けによっては値段や味に大きな差が出ます。
ここでは、松阪牛の定義や格付けのやり方などについて詳しくご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
はじめに、松阪牛の定義を見ていきましょう。
松阪牛として認定されるためには、生まれや育ちがとても重要です。
まず兵庫県で生まれた黒毛和種で、子供を産んだことがないメス牛でなくてはなりません。
そして、生後12ヶ月までに松阪牛生産区域に運ばれ、松阪牛個体識別管理システムに登録してから、出荷されるまで区域内で飼育を行うと、松阪牛と名乗ることができます。
ちなみに松阪牛生産区域は、三重県の雲出川より南で宮川より北の地域で、市町村合併をする前の22市町村と決められています。さらに、松阪牛の中でも兵庫県で生まれた子牛を松阪牛生産区域で900日以上飼育すると、「特産松阪牛」と名乗ることができます。
普通の松阪牛はだいたい31~32ヶ月で出荷されますが、特産松阪牛は平均42ヶ月で出荷されていますので、通常よりも1年近く長く飼育していることになります。
飼育期間が長くなるとそれだけ飼育コストが多くなりますし、途中で病気になったりするリスクも高くなりますが、霜降りはよりきめ細かくなり脂はまろやかで旨みを増し、肉質はより柔らかく上質になるというメリットがあります。
とはいえ特産松阪牛を生産する人は少なく、ものすごく希少性が高くなっています。
本当に最高級の松阪牛を味わってみたい方は、ぜひ特産松阪牛を選びましょう。
松阪牛は色々な読み方をされるため、一体どれが正しいのかよくわからない方も多いと思います。
正式な読み方は「まつさかうし」です。
ただし「まつさかぎゅう」と読んでも間違いにはなりません。
他にも「まつざかうし」や「まつざかぎゅう」などと濁ってしまうケースがありますが、これらは正式な読み方ではありません。
また「阪」を「坂」と表記してしまうのも間違いやすいポイントです。
正式な読み方を知っているだけでも、ちょっと松阪牛に詳しくなれますので、ぜひ正しい名前を覚えておきましょう。
「A5ランクの最高級牛肉」などと呼ばれるように、格付けは肉の値段を大きく左右しますし、ランクが高いほど美味しさが保証されているということになります。牛肉の格付けを行っているのは、社団法人日本食肉格付協会という機関です。
松阪牛だけでなく、日本で流通している牛肉は全てこの機関がランクを決めています。
格付けは、ABCの3段階評価で示す歩留(ぶどまり)等級と、1~5までの5段階評価で示す肉質等級で表します。
歩留等級はどんなものかというと、牛の皮や骨、内臓、脂肪を取り除いて商品になる肉がどのくらいあるかを評価したものです。
同じ体重の牛でも商品価値のある肉がたくさんついていた方がオトクですよね。
A、B、Cのうち、Aが最もたくさん商品価値のある肉がついていることを示していて、Aランクに認定されれば高く取引されます。
一方で肉質等級は、霜降りがどの程度入っているか、肉や脂肪の色やツヤ、肉の引き締まり具合などを総合的に評価して、5段階評価で示します。
松阪牛という名前で売っていたとしても、先ほどご紹介したように生育条件を満たしていれば、たとえランクが低くてもブランド牛ということになってしまいます。松阪牛を選ぶ際には、格付けをしっかりチェックするようにしましょう。
消費者側からすると、歩留等級は肉の味にあまり直結しませんが、肉質等級は味や食感に大きく関係する部分なので、5のランクがついていればそれだけ美味しいということがわかります。例えばA5ランクじゃなくても、B5やC5でも肉質等級は最高レベルなので、美味しさはきちんと保証されているんですね。
美味しい肉を味わう前に、松阪牛がここまでのブランド牛に成長した背景を知るとより深く味わうことができますよ。昔から松阪地方では、兵庫県の但馬地方で生まれた牛を多く飼っていました。
しかし当時は食べるために牛を飼っていたわけではなく、重い荷物を運んだり田畑を耕したりするために牛を使っていました。
そもそも昔の日本人は肉を食べる習慣がありませんでしたが、西洋文化が入ってきた明治時代ごろから肉を食べるようになりました。
松阪牛が有名になったのは、山路徳三郎という人が東京まで牛を売りに行ったことがきっかけでした。東京で松阪の牛は美味しいという噂が広まったことで、次第に日本を代表するブランド牛として認知されるようになったのです。
いかがでしたか?
ここまで、松阪牛と名乗るための定義や美味しい松阪牛を見分けるための格付けの仕方、ブランド牛として成長するまでの歴史などをご紹介しました。
定義や格付けをさることながら、松阪牛が高い評価を受け続けているのは、それぞれの農家さんが一頭一頭愛情を込めて手塩にかけて育てているからです。
松阪牛を味わう際には、こうした背景を頭に思い浮かべながら楽しんでみてはいかがでしょうか?
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